特集:21世紀へのまなざし:美術館・コレクター・画廊の現場から
いま、日本の美術界は不況の直撃を受けて厳しい状況にある。これまでの美術界の動向を過去に遡り、また現状を明らかにしながら、将来像を描く。(まとめ=大河内菊雄)
座談会:21世紀における美術の役割――20世紀と比較して
司会者:大河内菊雄
出席者:井上道子、加治川強、佐谷和彦、滝悌三、原田平作、雪山行二
- 美術品と競売(堀 佐知子)
- 日本におけるオークションの歴史と現状(瀬木慎一)
- マン・レイへのセルフ・ポートレイト(石原輝雄)
- 「見る自由」のために――大原コレクションを中心にした私的コレクション論(守田均)
- 公立美術館のコレクション――京都市美術館の場合(平野重光)
- コレクションと展覧会――東京国立近代美術館の場合(松本 透)
- 特異な美術館(浅井俊裕)
- 西武美術館――創立者の理念(難波英夫)
- 美術図書室の四半世紀(野崎たみ子)
- 保存の立場から見た美術館、もしくは美術館から見た文化財保護体制(長屋菜津子)
- 数寄者と美術館と美術商(小田榮一)
- 21世紀の洋画商への一つの提言――マネー経済の申し子から、アートコーディネーターへ(三好寛佳)
- 50−60年代、東京貸画廊繁盛記――思いつくまま(柳生不二雄)
- 忘れられた作家たちを掘り起こして(星野桂三)
コラム
サトウ画廊(光田由里)/内科画廊(宮田有香)/ときわ画廊(三上 豊)/ギャラリーマロニエ(辻 喜代治)/今橋画廊(松原光江)/梁画廊(室井絵里)
〈資料紹介〉
- 日本美術の貴重なコレクションを取得したインディアナポリス美術館(マニー・ヒックマン/原田平作訳)
- 冨田溪仙《香椎・筥崎》(中谷伸生)
- 小林力三コレクション(大倉 宏)
〈美術随想〉
- 美術館は神殿か、それとも墓所か――モダニズムと美術館についての覚え書き(乾 由明)
〈トピックス〉
- ヨーロッパ大都市美術館のリニューアル:ベルリンの美術館動向(桑原節子)/21世紀のポンピドー・センター(前野寿邦)/「モダン・アート」嫌いの見たテイト・モダン(土田真紀)
- 二都と「京都」の誕生(タイモン・スクリーチ)
- 美術館の次代はあるのか(宝木範義)
- デザイン展と美術館(宮島久雄)
- アジア現代美術の現場から(安永幸一)
〈展覧会評〉
- 危機の時代と絵画 一九三〇−一九四五(田中 淳)
- セザンヌ展(永井隆則)
- ART INTO LIFE 日本の前衛 一九〇〇−一九四〇(水沢 勉)
- ジェイムズ・ギルレイの魅力(清水一嘉)
- ピカソ 子供の世界(原田平作)
〈書評〉
- 尾崎信一郎『絵画論を超えて』を読む(梅津 元)
- 稲賀繁美『絵画の東方――オリエンタリズムからジャポニスムへ』(藤原貞朗)
- 百橋明穂『仏教美術史論』(根立研介)
〈現代作家紹介〉
- 眼の肉 岡田修二(中谷至宏)
- 密やかな毒 ジュリアン・オピー(中林和雄)
- 巨木と斬り結ぶ ふじい忠一(深山孝彰)
- それぞれの「私」を浮き彫りにするPROJECT 山出淳也(山口洋三)