特集:旅・留学――なぜ、なにを学ぶのか
経験した側の立場から語られることの多い旅や留学を、旅先・留学先の時代や社会状況から見るとどういう位置づけになるのか、第三者的に見ればどう見えるのかを美術史学的・美学的に考察する。(まとめ=佐藤道信)
- 虚往実帰 空海の留学(米屋 優)
- 雪舟がもたらしたもの(綿田 稔)
- 南蛮図屏風の手本を与えた画家たちの旅行(中江 彬)
- ドガとイタリア(高階絵里加)
- 外国に在留して教育すること――アキッレ・サンジョヴァンニの場合(河上眞理)
- 明治十三年・ローマの空――松岡壽の留学体験とその意味(森 仁史)
- 津和野からの遊学者たち――西周・森鴎外・亀井茲明(浜下昌宏)
- 女子美術学校という〈場所〉(島村 輝)
- 豊子ィの西洋美術受容とその日本留学(西槇 偉)
- 農商務省海外実業練習生とわが国の美術界(田島奈都子)
- 戦時下の留学生―― 近代日本とタイの美術交流(後小路雅弘)
- エイキンズとオキーフ―― 二人のアメリカ人画家(宮本高明)
- 画家の留学 青山義雄氏にうかがう―― 一九二〇年代フランス滞在の一齣(稲賀繁美)
- 美術史学と国際主義―― 一九二〇年代の美術史家の国際的成功とその意味(藤原貞朗)
- “孤立した「日本文明」”と留学(佐藤道信)
〈資料紹介〉
- 「亀井茲明コレクション・十九世紀ヨーロッパの染織とデザイン」と島根県芸術文化センター(グラントワ)(原田平作)
〈美術随想〉
〈展覧会評〉
- 「田中一光回顧展 われらデザインの時代」(大坪健二)
- ガラスケースの中のR2-D2「アート オブ スター・ウォーズ展 EPISODE W、X、Y」(ジャクリーヌ・ベルント)
〈書評〉
- 黒田泰三『思いっきり味わいつくす 伴大納言絵巻』(朝賀 浩)
- 小林典子『ヤン・ファン・エイク――光と空気の絵画』(元木幸一)
- 北澤憲昭『「日本画」の転位』(菊屋吉生)
〈現代作家紹介〉
- 徐冰 さらに深まる文字への執着(安永幸一)
- 現代美術としての陶芸 林康夫(高橋 亨)