特集:漫画とマンガ、そして芸術(ジャクリーヌ・ベルント 編集)
- 「大人げないもの」が発達するとき――相似形としての絵巻とマンガ(山本陽子)
- 奈良絵本・絵巻と漫画・アニメ(石川 透)
- 黄表紙――江戸の自己言及的なマンガ(アダム・L・カーン/翻訳=土田恵子・西村葵)
- 北澤楽天の「漫画」――「旧派」の「旧き江戸趣味」から離れた新しいものを目指す(ロナルド・スチュワート)
- ジャポニスムとマンガをめぐる一考察(三浦 篤)
- 杉浦日向子と再-想像された江戸(佐藤守弘)
- 近代日本美術史における画家・漫画家・挿絵家――浅井忠・柳瀬正夢・真鍋博の場合(原田平作)
- 児童マンガの盛衰――田河水泡から手塚治虫へ(神林恒道)
- 私のマンガ論ノート(森村泰昌)
- 「アニメーション」の名称の変遷と「芸術性」について(佐野明子)
- メジャー誌における実験作の見分け方――あるいはマンガ誌の楽しみ方(吉村和真)
- 楳図マンガとマンガの恐怖――ホラー・マンガのアヴァンギャルド(前川 修)
- 妖(あやかし)を描く――美術史からみた少女マンガ(木川弘美)
- 一九七〇年代の少女マンガにおける芸術性への指向とその目的(竹宮惠子)
- 一九六〇年代フランスのマンガ文化――第九芸術への道(古永真一)
- 石子順造の知覚論的転回――マンガ批評を中心に(加治屋健司)
- 自生する前衛――つげ義春をめぐって(吉岡 洋)
- 「芸術家マンガ」試論――マンガの自意識と芸術家像の変容(橋本順光)
- マンガ展の困難について(高橋瑞木)
- 美術館でのマンガ展――「横山裕一 ネオ漫画の全記録:わたしは時間を描いている」展についてのレポート(金澤 韻)
- 「無意味」の「解読」――現代マンガから見た村上隆の絵画(ジャクリーヌ・ベルント)
〈資料紹介〉
〈作家との対話〉
- 赤松玉女――思索的動画的な構想画から表現的フォーヴ的な抒情へ、その暈かされた姿態から滲み出てくる素直な表情はさらに強く人を惹きつけうるかどうか、油彩・アクリル・水彩・パステル・フレスコと多岐にわたる実技派(原田平作)
〈書評〉
- 熊田司・橋爪節也編『森琴石作品集』(佐藤道信)
- 東京美術倶楽部監修『山口薫全作品集』(山野英嗣)
- 金英那、神林恒道訳『韓国近代美術の百年』(高 晟凵j
シンポジウム「漫画とマンガ、そして芸術」
シンポジウム『美術フォーラム21』
漫画とマンガ、そして芸術
- 日時:2012年4月8日(日) 13:00〜16:00 (開場12:30)
- 開催:京都国立近代美術館 講堂
- 主催:美術フォーラム21刊行会/協賛:醍醐書房
- 聴講料:無料
- 定員:100名(先着順/11:30より整理券配布)
『美術フォーラム21』の特集「漫画とマンガ、そして芸術」では、マンガ研究を美術や文学をめぐる諸研究と対話させることを試みたが、「マンガ/芸術論」として欠かせない諸問題を余さず網羅して収録することができなかった。それを補うために、本シンポジウムでは専門性の高い「読者」からの問題提起を中心に据えつつ、同誌では取り上げられなかったマンガ表現論と美学の類似性や、制度的芸術から逸脱するマンガの性的(エロ)描写、(「北斎漫画」の当時の使用理由にもつながる)同人誌や二次創作に見出せるアマチュアの創造力、さらにはアメリカン・コミックスとの比較などに焦点を当てる。
プログラム
- 13:00 開会の挨拶 原田平作(美術フォーラム21刊行会代表・大阪大学名誉教授)
- 13:10 趣旨説明 ジャクリーヌ・ベルント(京都精華大学マンガ学部教授・マンガ研究科長)
- 第1部 ミニ・レクチャー 13:25〜14:25
- 1)早川聞多(国際日本文化研究センター教授)
- 2)夏目房之介(学習院大学大学院身体表象文化学専攻専任教授、花園大学客員教授)
- 3)石川 優(大阪市立大学大学院文学研究科都市文化研究センタードクター研究員)
- 4)雑賀忠弘(神戸大学大学院人文学研究科学術推進研究員)
- 第2部 質疑応答 14:45〜16:00
(総合司会=岸文和)
〈お問合せ〉
- 美術フォーラム21刊行会
- TEL/FAX 075/-724-2304
- ugh74667@nifty.com