特集:ポスターの視覚文化論(岸 文和 編集)
- 広告ポスターのレトリック(西村清和)
- 広告ポスターの記号学的分析について
――ロラン・バルトにおける言語と映像の関係(小池隆太)
- 広告論のジレンマ
――マーシャル・マクルーハン『機械の花嫁』をめぐって(門林岳史)
- 社会表象としてのポスター(難波功士)
- 若者にとって「ポスター」とは何か?(加島 卓)
- 歌麿筆「名取酒六家選」のレトリック――隠喩と換喩(岸 文和)
- 正月用引札のサバイバル――美人画ポスターとの関係(熊倉一紗)
- ポスターと百貨店――三越とポスターの黎明(生田ゆき)
- 画家とポスターの緩やかな周辺――大阪モダニズムの画家三態(橋爪節也)
- 大阪のポスターと前衛芸術(竹内幸絵)
- 日活映画のプレスポスター(碓井みちこ)
- ポスターとグラフィックデザイナーの現在形(植木啓子)
- 創作ポスターという伝統――木村恒久のモンタージュ作品(柏木 博)
- 白昼夢としての京都――「そうだ 京都、行こう。」が約束する未来(佐藤守弘)
- ロートレックとポスター(冨田 章)
- 欲望とイデオロギー――の鏡としてのポスター(平芳幸浩)
- 戦前期の日本製ポスター研究における体験的参考文献論(田島奈都子)
〈資料紹介〉
- 古画愛好の時代
――狩野惟信《徽宗筆水仙鶉図摸本》から見えてくること(福士雄也)
〈現代作家紹介〉
〈作家との対話〉
- 本間晴子
――型染めの図形から入って素描きの自由さに進み、コラージュなども取り入れて四季折々の自然と遊ぶ空間を楽しんできた染め。それはいつしか暖簾や包装布に結晶したとみられるが、更に人の暮らしを豊かにしうるものとなるか。(原田平作)
〈第8回パラミタ陶芸大賞展 出品作家紹介〉
〈書評〉
- 田中淳著『太陽と「仁丹」
――一九一二年の自画像群・そしてアジアのなかの「仁丹」』(熊田 司)
〈前号特集補遺〉
- 清国人洋画に志す
――李叔同の日本留学とその意義(李超/西上 実 編集・翻訳)
シンポジウム『美術フォーラム21』
第5広告媒体論――ポスターの理論と歴史
- 日時:2013年10月20日(日) 13:00〜16:30 (開場12:30)
- 場所:京都国立近代美術館 講堂
- 主催:美術フォーラム21刊行会/協賛:醍醐書房
- 聴講料:無料
- 定員:100名(先着順/11:30より整理券配布)
「広告」や「宣伝」と言えば、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのマスコミ4媒体を利用したものが、現在の主流。一枚擦りの印刷物として壁や柱に貼り出されるポスターは、周縁的で、「過去の遺物」とか「オールドメディア」とかと呼ばれることもありますが、有効なメディアであり続けていることもまた事実。このシンポジウムでは、ポスターが、受容者(潜在的消費者)に働きかけて、広告主の販売する商品・サービスを購入・利用させるために、どのような工夫・仕掛をしてきた/しているかについて、理論的・歴史的な視点から考えてみることにします。
プログラム
- 13:00:開会の挨拶:原田平作
- 第1部 13:15〜15:15
- 「ポスターのレトリック――歌麿の美人画を手がかりに」
岸 文和(同志社大学文学部教授)
- 「ポスターがニューメディアだった頃――広告に目覚めた美術家たち」
竹内幸絵 (大阪市立大学・関西学院大学非常勤講師、サントリーホールディングス(株))
- 「ポスターの見方、読み方、考え方」
田島奈都子 (青梅市立美術館学芸員)
- 「観光ポスターの企み――『ディスカバー・ジャパン』から『そうだ 京都、行こう。』へ」
佐藤守弘 (京都精華大学デザイン学部教授)
- 第2部 質疑応答 15:30〜16:30
(総合司会=中谷伸生)