特集　ヴィジュアル・レトリック再考（筒井忠仁編集）

1. 描き方としてのレトリック
   1. 似絵における「写実」の再検討──水無瀬神宮の「後鳥羽天皇像」を手がかりに（土屋貴裕）
   2. レトリックとしての像容──三宝院列祖像について（綿田稔）
   3. 舟木本洛中洛外図のレトリック（筒井忠仁）
   4. 伊藤若冲《果蔬涅槃図》のレトリック（福士雄也）
   5. 擬人化される身体部位（石上阿希）
   6. 消費を寿ぐ──杉浦非水《三越呉服店 春の新柄陳列会》のレトリック（岸文和）
   7. 小早川秋聲《國之楯》考──聖者として戦死者を描く（植田彩芳子）
   8. 国をうごかす動物たち──民国期中国における嶺南画派の猛獣・猛禽画について（呉孟晋）
   9. 『寄生獣』の左手と爪（の不在）をめぐるレトリック（太田純貴）
2. 語り方としてのレトリック
   10. 日本における菩薩半跏像の図像と尊名をめぐる考察（礪波恵昭）
   11. 日本古代・中世における絵画的修辞と鑑賞作法との相関について（大原嘉豊）
   12. レトリックからみるピエトロ・アレティーノのエクフラシス（加藤志織）
   13. 絵姿と絵面──「歌舞伎の絵画」論への覚書（鈴木幸人）
   14. 長沢芦雪　造られた逸話と作品の関係（岡田秀之）
   15. もの言わぬ証言──『自然の鉛筆』のレトリック戦略（青山勝）
   16. 表具のレトリック──取り合わせで一体化する主役と脇役（岡岩太郎）
   17. 「絵を記述すること」について（井面信行）
   18. パロディの定義、テクストの権利（成相肇）

   〈資料紹介〉

   • 逸山と佚山──「西銘書巻」（石沢俊）

   〈現代作家紹介〉

   • 黒宮菜菜の世界──にじみとぼかしによるうつろいの絵画宇宙（中塚宏行）

   表紙解説

   • 【表】岩佐又兵衛《舟木本 洛中洛外図》（筒井忠仁）
   • 【裏】赤野（清水）美紀《虚像のはかりごと》（原田平作）